2022年5月28日土曜日

日本新八景

 日本新八景は1927(昭和2)年に、大阪毎日新聞社、東京日日新聞社主催、鉄道省後援で、一般からの投票をもとに、最終的に当時の名士により審査選定された、日本を代表する8つの景勝地のことです。

 海岸は室戸岬(高知県)、湖沼は十和田湖(青森県・秋田県)、山岳は温泉岳(雲仙岳-長崎県)、河川は木曽川(愛知県)、渓谷は上高地(長野県)、瀑布は華厳滝(栃木県)、温泉は別府温泉(大分県)、さいごに平原は狩勝峠(北海道)が選定されました。 今では「狩勝峠」と言えば、国道38号線の狩勝峠のことしか思い浮かびません。国道38号線は日高山脈越えで初めて誕生した道路であり、江戸時代には十勝街道として存在していました。現在のルートの開削は1931(昭和6)年であり、1934(昭和9)年に「一般国道札幌根室線」に昇格、1952(昭和27)年に国道38号に指定されました。

 とすると、国道の峠頂上からの景色が選ばれたわけではないということです。

 その場所は、旧狩勝線の狩勝隧道と新内隧道との間にあり、十勝平野の絶景が見られるところです。今でも車で行くことができますので、ぜひ訪れてみてください。

 関係者の方々のおかげで今でもその場所には看板が立てられています。木が生い茂っているため、景色は見られないのが残念です。


左:新内隧道        右:狩勝隧道